social suicide ~余談と脱線がメインコンテンツ~

食べこぼしたご飯粒がカピカピになって貼りついてるポロシャツみたいなブログ

いつも心におっさんを。

つらいとき

 

 

思い浮かべよう

 

おっさんを。

 

 

とにかく応援してくれるおっさんを。

 

 

終業時間ちかく、帰り支度をする私に

 

 

「クライアントに送るメールがまだ1件あるぞー!」

 

 

大声で知らせてくれたりします。

 

 

「添付ファイルも忘れるなよー!」

 

意外と細かいところにまで目が届くのです。

 

 

 

どんな風に叫んでいるのか。

 

 

 

当然、防波堤です。

 

 

波飛沫にまみれながら。

 

 

 

防波堤のさきっぽで

 

 

大漁旗を振り

 

 

 

大きな声で

 

 

「がんばれよー!」

 

 

と応援してくれるおっさん。

 

 

 

 

だんだんと離れゆく漁船と、その上でただただおっさんを見つめることしかできない私。

 

 

涙が流れるのは、潮風が目に染みるからです!

 

 

 

昨夜、おっさんは遅くまで安酒をあおりながら

 

 

「東京がなんだってんだ。」

 

 とか

 

 

 

「ちくしょう…。」

 

とか

 

 

 

「俺はよう…俺はよぅ…。」

 

とか

 

 

「また、かーちゃんと2人っきりになっちまうなぁ…。」と、

 

写真立ての中で微笑む女性に話しかけていたりしたのです。

 

 

 

そのうち

 

一升瓶を傍らに転がして

 

真っ赤な顔でコタツに突っ伏してしまったおっさん。

 

 

 

夜中トイレに起きた私は

 

そのおっさんの肩に、どてらをそっと掛けました。

 

 

 

東京行きを告げた日から、ろくに口もきいていません。

 

 

母が亡くなってから、つらいことも多かったけど、世知辛い世間に負けないよう、少しだけ・・・、ほんの少しだけだけど、心のどこかでずっと気を張って、父娘ふたりで暮らしてきました。

 

 

 

いつだって私のことを第一に考えてくれた

 

 

今まで立派に育ててくれたお父さんだもの。

 

 

たださびしいとか、そんなんで荒れてるんじゃない。

 

 

私だってもう子供じゃないからわかります。

 

 

ただ、父に似て意地っ張りなところがあるから、父が口をきかないなら、私も…。

 

 

いまだって、本当は「いままでありがとう。」って言いたい…。

 

 

 

そんな翌日の防波堤です。

 

 

 

孤島の。

 

 

唯一の小さな漁港の。

 

 

台風が来たら、波で見えなくなるような。

 

 

その防波堤から叫んでいるのです。

 

 

おっさんは。

 

 

 

朝、私が出発する時には、寝たフリをしていたのでしょう。

 

 

いつの間にか仏間のお布団に移動して、そっぽを向いて寝ていました。

 

 

ちゃんとお別れが言いたかったけど

 

そのまま何も言えず出てきちゃった。

 

 

 

それなのに

 

それなのに

 

今になって、無理して走ってきて

 

 

「がんばれー!」

 

 

だなんて。

 

 

 

 

もう…

 

 

泣きながら

 

「お父さーーーん!」って

 

言うほかないじゃない。

 

 

 

 

ただ・・・

 

 

そのうち

 

 

 

「あした5時起きなんだから、もう寝ろよー!」

 

 

とか

 

 

プレミアムフライデーとか、ちゃんちゃらおかしくて、茶でヘソ沸かしちゃうよな!」

 

 

とか

 

 

マイナンバーってのはあれか、イナバウアーとは違うのか。」

 

 

とか

 

 

いろいろ言い出すのです。

 

 

困ったもんです。

 

 

 

家のある島より少し大きな島に着いて、フェリーに乗り換える時、チケットを買うために財布を取りだそうとリュックのファスナーを開けると、入れた覚えのない巾着袋が…

 

 

中を見ると、私の名前でこつこつ貯められた100万円の入ったゆうちょの通帳とハンコ…そして、父の字でただ「頑張れ」とだけ書かれた紙切れが…。

 

 

 

涙でフェリーの時間が読めない…

 

 

…そんな妄想を書いている、孤島出身でもなければ娘でもなんでもない「おっさん」のあたすと、読んでるあなた。

 

 

今夜もありがとう。

 

 おやすみなさい。

 

 

コスモテキスタイル 大漁旗パネル生地約110cm×100cm色番1
 

 

 

余談

 

巾着の中の紙切れには「いつでも帰ってこい。」や「大事に使えよ。」や「ご飯だけはちゃんと食べるように。」なども書いてはみたのですが、なんだか、かえって言葉足らずな気がして、ただ「頑張れ」としか書けなかったおっさんです。

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